成長曲線
成長曲線とは?
成長曲線とは、ある決められた年度に、男女別にたくさんの子どもたちの身長データを集計し、年齢別に身長や体重の平均値を曲線でつないだグラフです。
- 藤枝憲二監修『横断的標準身長・体重曲線 0-18歳』ヴイリンク 2006
- 藤枝憲二監修『縦断的標準身長・成長率【成長速度】曲線 0-18歳』ヴイリンク 2006
成長曲線の使い方
成長曲線を使って、成長が急に鈍くなる、あるいは急に伸びるなどの変化を見ます。乳幼児期、前思春期、思春期(ICPモデル)の各時期に、成長曲線が妙な動きを見せるときは、骨の成長を損なう何らかの障害が働いている証拠です。
ICPモデル
成長曲線を使って着実に身長を伸ばしていこう
乳幼児期(0歳~3歳頃)
乳幼児期は生まれてから3歳頃までの体が急速に大きくなる時期です。この時期の成長率が低下する主な原因は栄養摂取量の不足であり、ホルモンの分泌に異常がない場合が多いです。成長率を向上させるために、乳児期はアラキドン酸とDHA入りの粉ミルクを飲ませて、7~8ヶ月以降は、必須アミノ酸、アラキドン酸、亜鉛を豊富に含む肉や固ゆで卵黄などの食べ物を食べさせるようにしましょう。
前思春期(3歳~男子10歳頃、女子9歳頃)
この時期は、男女ともほぼ一定の成長をする時期です。この時期に成長率の大きな変動が見られた場合、脳腫瘍による成長ホルモン分泌不全性低身長症、後天性甲状腺機能低下症、思春期早発症などの病気である可能性があるので、専門医を受診してください。
思春期(男子11歳頃~男子16歳頃、女子10歳頃~女子14歳頃)
思春期は急速な伸びの後に成長が停止する時期です。この時期の成長率が低下する主な原因は激しい運動にともなう栄養摂取量の不足です。
運動と栄養と休養
栄養も休養もとらずに、体重が減るくらいの激しい運動をやり続けると、身長が伸びにくくなります。激しい運動をしても、しっかり栄養と休養をとれば身長は伸びていきます。激しい運動をする場合は、しっかり栄養と休養をとり、身長・体重の成長率を低下させないようにしましょう。
参考文献
田中敏章『成長曲線』Nordicare
清水俊明『脳の発達を促す注目成分「アラキドン酸」』日経ウーマンオンライン 2013
細谷亮太『最新決定版 はじめての育児』学研マーケティング 2013
身長と運動
野瀬宰『適度な運動はいいが激しい運動は問題』野瀬クリニック
Suzanne Allen『Are There Exercises that Stunt Children's Growth?』 2014